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あたたかな春の陽気を感じられる中で、2020年度の卒業式を厳粛な雰囲気の中で執り行うことができました。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から一部制限をかけた卒業式といたしましたが、保護者の皆様のご理解をいただき無事挙行できましたことを心から感謝いたします。コロナ禍がまだまだ治まらない中での新たな世界への挑戦をこれからも応援していきたいと思います。そういう思いで卒業式での式辞を述べました。
2020年度 岡山県作陽高等学校 卒業証書授与式 校長式辞
みなさん、ご卒業おめでとうございます。またこの卒業式をライブ配信でご覧になっているご家族の皆様にも、今日の良き日を迎えられたことを、心からお祝い申し上げます。
例年であれば、多くの来賓方が君たちの卒業をお祝いしようとこの会場に駆けつけてくださり、また君たちを大切に育ててくれた保護者の皆様方も君たちの最後の作陽高校の制服姿を見に来ていただけるはずでした。しかし、今年度の卒業式は新型コロナウイルス感染症の防止対策を考慮した結果、このような形での開催と決断しました。ちょうど一年前の昨年度の卒業式は、感染拡大防止のための休校措置を取り始めた日でした。多くの地域からの出身者が在籍している本校として、やむなく大切な卒業式の中止の決断をいたしました。一年前のその時点で君たちの人生で一度しか経験できない高校三年生の一年間が、全く例年と違うものになると思っていなかったのではないでしょうか。
2020年度は、4月7日に教室で行った始業式から始まりました。この慣れ親しんだ体育館に全校生徒が集まることのない一年間であり、今年度初めての式典がこの卒業式となりました。同級生や後輩たちとつながりを深める学校行事などの活動が非常に少なく、部活動においても多くの公式戦が中止となり、やり遂げたという思いがないままに引退してしまった人もいると思います。まさに先行きの見えない時代を象徴する混乱の一年間だったと思います。日本だけではなく世界中がこの事態に混乱し、そしていつまで続くか正確な予想は立てられない状況です。ここで作陽高校を卒業する皆さんは、この歴史的な混乱の中で次の進路に向けて進みます。いつも通りではない中でスタートを切り、新たな生活をしていかなければなりません。
そこで卒業生諸君に「作陽高校校歌三番」の歌詞を改めて説明し、それを贈る言葉としたいと思います。一番と四番は日頃から歌う機会がありますが、三番はあまりなじみがないと思いますが、先輩の卒業生の中には、三番が心に残るという人もいます。改めて三番の歌詞を読み上げます。
五濁(ごじょく)の海は荒くとも 不動の信念われにあり
静寂和敬(せいじゃくわけい)の精神(こころ)には さへぎる波もあらじかし
最初に出てくる五濁とは仏教用語であり、社会が混乱するときにおこる五種類の乱れを指しています。難しい言葉ですが、劫濁(こうじょく)、見濁(けんじょく)、煩悩濁(ぼんのうじょく)、衆生濁(しゅうじょうじょく)、命濁(みょうじょく)という五種類の世の中の乱れを指しています。一つ目の劫濁(こうじょく)とは、時代的困難、飢饉や戦争、この度の新型コロナウイルス感染症のような疫病などの時代や社会の大混乱を指します。二つ目の見濁(けんじょく)とは、思想の乱れを言い、悪意に満ちた間違った見方や考え方が常識となってはびこる状態を指します。三つ目の煩悩濁(ぼんのうじょく)とは、欲望や憎しみなど、人々の煩悩が渦巻く社会になることを指します。四つ目の衆生濁(しゅうじょうじょく)とは、人びとの良心の資質が衰えた世の中になることを指します。五つ目の命濁(みょうじょく)とは、生命が軽んじられ、生きていることのありがたさや意義が見失われるような状態を指します。
これからそれぞれのステージに飛び出そうとしている君たちは、現在もまだ完全終息が見えないコロナ禍に立ち向かい、様々な価値観が乱立し、多くの人が将来への不安を感じている五濁の海ともいえる世界に飛び出そうとしています。改めて三番の歌詞をかみ砕いてみますと、「このような困難が渦巻く世の中でも、ぶれない心を持ち続け、落ち着きを保ち、人を敬う心を持てば、君たちの前に立ちはだかるものはない。」という意味になります。
ここで必要となるのは、常日頃から君たちに伝えていた「人間性」と「人間力」です。人を思いやり、人の幸福を願う利他の心を持つ人は、新しい環境でもいずれ大きな信頼を得ると思います。豊かな人間性は、荒れている五濁の海において、君たちの周りの荒波をきっと穏やかなもととしてくれます。また様々な価値観が渦巻くように存在している現代で、自分の考えをしっかりと持ち表現できる人は、多くの人々を引き付け、巻き込み、大きな力を持つことができるようになると思います。たくましく生き抜くための人間力は、荒れる大海原でもしっかりと漕いで行くことのできる大きな力と必ずなるはずです。
より豊かな人生を送るために「人間性」と「人間力」をこれからも意識して自ら鍛えていってください。そして強い思いを持ち、自らを成長させ、ぶれずにやり続ける、作陽高校の校訓「念願は人格を決定す 継続は力なり」を実践してください。
君たちの大いなる飛躍と、成功を祈念いたしまして、式辞とさせていただきます。
2020年3月1日 岡山県作陽高等学校 校長 野村雅之
それぞれの進路へ進んでいく卒業生諸君の新たなステージでの活躍を楽しみにしています。そしてまた母校に顔を出してくれる時を楽しみにしています。
実習場所である恩原高原スキー場は、私が作陽高校に赴任したころはスキー場まで2時間以上かかっていたと思います。現在では道路も整備され、ほぼ片側1車線の道幅となり運転も楽になりました。気候も変わり以前より積雪が少なくなり、当日も道路に雪もなかったため1時間ほどでいくことができました。30年ほど前はスキー場へは苦労していくものであると思っていましたが、便利になりました。しかしその反面、異常気象による毎年のように起こる雪不足に不安を抱きます。ウインタースポーツは生涯楽しめる趣味になりえます。身近に行うことができる環境はありがたいと思います。
用具の進化のせいか、以前と比較すると生徒の上達は早いように思えます。午後には初心者の生徒でも中級者コースまで上がって滑っていました。閉校式の後には、本当に楽しかったという声も多く聞こえました。2月には2年生のスキー実習も計画されています。2年生の皆さんは、ゲレンデコンディションがいい状態であることを祈りつつ、楽しみにしていてもらいたいと思います。
2021年が始まりました。今年のお正月は、例年のようないわゆる正月気分ということにはなりませんでした。
3学期のスタートも例年とは異なります。冬休み中の新型コロナウイルス感染の状況から、寮生の多い本校は当初の予定とは違う分散登校でのスタートとなります。
「一年の計は元旦にあり」といいますが、この先行きが予想できない現状の中においても、目標設定をしっかりと行い、自分がやらなければならないことに集中して取り組むという決意を持って元気に登校してきてもらいたいと思います。
2020年がもうすぐ終わり、新しい年を迎えようとしています。昨年のこの時期には、生徒の皆さんに「一年間でやり残したことや悔いが残るようなことはなかったか振り返ってください。」ということを問い、「やり残したことをそのままにしないでください。悔いは次にいかせば反省になります。令和2年の宿題として必ずやり遂げてください。」とメッセージを送りました。まさか2020年が世界中が歴史的な災難に巻き込まれるとは、1年前には思いもしませんでした。
いろいろな経験ができただろう学校生活も多くの制限がかかり、思い描いていたものとは全く違うものとなってしまった1年でした。仕方ないとはいえ、やり残したことだらけの1年となってしまったと思います。当たり前の日常がいかに貴重なものか実感できました。
年が替わってもまだ先行きが不透明な状態が続くと思います。未来への充電期間と捉え、この中でできることを精一杯続けることが大切だと思います。
良い年をお迎えください。
最近、何名かの卒業生と会う機会がありました。卒業して20年以上たち、各職業で立派に社会貢献している卒業生でした。それぞれに仕事の様子を聞いてみると、やりがいを持ち自信をもっていろいろと苦労話や取り組みなどを教えてくれます。やはり社会には学校内ではうかがい知れない多くのことがあるのだなと改めて実感します。
ただ共通して思うのは、社会に対して何ができるのかという考えを少なからず持っているということです。生活のために仕事をしているだけではなく、世の中に対して何か仕掛けを作ることを意識しているように感じます。
在校生にはたびたび話をしていますが、現代は何が起こるかわからない時代です。たくましく生きていくために人間性・人間力を身につけ、積極的に仕掛けていかなければいけない時代です。受け身のままで待つのではなく変化に対応できなくなります。さらに言えば変化を待つのではなく、変化を生み出していく側にまわるぐらいの積極性が必要ではないかと思います。
卒業生たちがそんなことを感じさせてくれました、ありがとうございました。
生徒の皆さんへ
本日4月8日水曜日に入学式を行いました。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から新入生のみの放送による入学式を行いました。それに先立ち前日に始業式を行いましたが、こちらもまた放送のみで行いました。世界は今、そして日本国内でも未だ休校措置をとられているところがある中で新年度を迎えることとなりました。